きっと、夏のこと

第十四話 歌詞なんてわからない


月日が経って、私たちは先輩になった。


新しいグループを作ってまた、彼女と同じグループになったり違うグループになったりを繰り返した。


その都度新しい楽曲、知らない楽曲を練習したが、どれも私にはやっぱりささらなかった。





ギターって楽だ。


そう思った。





ボーカルみたいに、歌詞なんか聴かなくたって、歌詞を理解しようとしなくたって。


音楽さえ聴いて、音楽さえのれれば。





軽音サークルに入ってから、ギターを練習するようになって、ある程度のテクニックを身につけることができた。


「今のいいね〜」

「よく練習してるね」


そんな先輩の声がけが響かなくなっていくのを感じた。



2年生の時も3年生になってもギターの練習はこなした。


でも私のギターからでる音はいつも空虚だった。
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