イケメン幼なじみの2人に突然迫られて始まる三角関係(トライアングルラブ)
「それで、今日は何の映画を観に行くんだ?」

パパは私が誰と遊びに行くのかよりも、何の映画を観るのか気になっているみたいだ。
きっとパパも映画を観に行きたいのであろう。パパも今日観に行く映画が好きだから。

「毎年この時期に公開される、某有名なアニメの映画だよ」

「それは羨ましいな。ママ、俺達も近いうちに観に行こう」

ママとパパは毎年、二人で一緒に観に行っている。それぐらい二人にとって好きな作品のようだ。

「そうね。観に行きたいわね。でも今は締切前で忙しいし、コミックスの作業もあるから、仕事が一段落ついてからね…」

ママは残念そうに言った。本当は今すぐにでも観に行きたいのであろう。
でも仕事が優先なので、その気持ちをグッと堪えながら、仕事と向き合っている。

「そっか。それなら仕事が落ち着いてからだな。ゆりな、悪いんだけど、お金を渡すから代わりにグッズを買ってきてくれないか?」

パパが私に頼み事をするのは珍しい。それだけ今回の映画のグッズを欲しいみたいだ。

「いいよ。パパのために買ってくるね」

「ゆりな、ありがとう。多めに渡しておくから、これで三人仲良くポップコーンでも買って」

サッと二万円を渡してきた。グッズ代を差し引いても多いぐらいだ。

「パパ、さすがに多いよ…」

「いいんだよ。パパの気持ちだから」

パパなりに気を遣ってくれたのであろう。出かける娘に何かしてあげたいという思いが伝わった。

「それじゃパパのお気持ちに甘えるね。ママは大丈夫?欲しいものはある?」

私がママに尋ねると、ママはちょっと待って…と一言だけ残し、慌てて財布を持ちに部屋へと戻った。

「映画のパンフと推しのアクスタは絶対でお願いします。推しのぬいがあったら、全部買ってきて。はい、これお金…」

クレジットカードを渡された。普通の親なら自分の子供にクレジットカードを渡さない。子供に渡したら使い込まれるのが目に見えているから。
でもうちのママは違う。自分が欲しいものには金に糸目をつけない。それぐらいママはパパ以上にヲタクだ。
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