夏空とヴァンパイア
1偶然
「次、北沢くん」
「はい」
教室。
先生が指すと昴が立ち上がった。
一番うしろの席の晶は昴の背中を見ていた。
昴の後ろ姿はすっきりとした少年の背中で、よく見ると窓から入る風でさらさらの黒髪が一二本靡いていた。
「はい。よく読めてます。次。」
昴は静かに席に付いた。
「もう少し声を大きく。北沢くんを見習ってハキハキ読みましょう」
教科書を見ながら、晶は頭が痛くなってきて、薬を飲んでくれば良かったな、と思いながら、朗読を聞いていた。