私のウソをホントに変えてくれた、桃銀の魔笛

ちょっとだけエピローグ


私たちはもうすぐ中学三年生になる。

『全国』まであと一歩……ナミもツクルも私も部活でやり残したことがあり、それぞれの夢をかなえたい。

……でも、進路のことも真剣に考えなくちゃいけない。特にナミは、陸上とバスケの二刀流をやっていたこともあり、学業が少しおろそかになっていた。しかしそれでも贅沢に、『旭川北東高校』に行きたいと言う。市内で一番の進学校だ。そこは、やり投げの女性金メダリストの出身校でもあり、ぜひ彼女の後輩になりたいとのこと。

三学期の期末テストが終わり、二年生のフロアの廊下に成績優秀者の名前が貼りだされた。なんとナギは転入早々、学年一位! 
ナミは彼に頭を下げ、『吉川凪受験対策塾』を開くことを懇願した。
私とツクルも便乗し、部活の無い日、そして部活を引退した後は、学校の図書室でナギ先生から教えをみっちりと授かった。


 〇

一年後。

ナギ先生の献身的なお力添えにより、私たち四人は見事そろって旭川北東高校に入学した。ナミはめでたく、やり投げスーパーアスリートの後輩となることができた。それは、奇跡と言ってもいいかも知れない。

さあ、新しい世界に!

……でも、その前に。

中学三年生の部活、つまり私たち吹奏楽部が全国大会に行けたか? とか、ナミが『陸上での』リベンジを果たすことができたか? などのドラマがあったわけだけど、それはまたどこかで話ができたらと思う。

もう一つだけ言っておくと、朗読会に集まった『縁を結びし者と結ばれし者』は、お互い口が固く、私たち四人は相変わらず『ただの腐れ縁の幼馴染み』ということになっていた。

どういうことかというと、私は性懲りもなく『当て馬屋』を続けていたからだ。時々ナミに助っ人に入ってもらったりもしていた。




常世中学の卒業式のあと、私たちは四人は、ツクルの家の写真スタジオに呼ばれ、彼のお父さんのサービスで卒業記念写真を撮ってもらった。
四人の並び順をどうするか少し揉めたけど、結局ナミと私の二人をはさんでナミの横にツクル、私の横にナギが並んだ。

この写真は、フォトフレームに入れて家の居間に飾ってあるし、それとは別に、ツクルが作ってくれた四人だけのアカウントページに、彼が学校行事など、ことあるごとに撮った、たくさんの(盗撮?)写真と一緒に閲覧、プリントできる。


これから高校に進学し、フレームの中に収まった四人の関係はどうなっていくのだろうか?

ナミの爆弾朗読(?)により、私と彼女が恋人同士になり、ナギとツクルがあぶれる可能性もなくはない(いやないと思う)。


運命……

みずから選び、切り拓いていくものか?

文字通り、成り行きに身をまかせ、運ばれていくものなのか?


さて、これからの四人の運命や、いかに?

(了)
< 15 / 15 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
「1話からの長編大賞」ノベマ! 青春・恋愛部門参加作品です。 「第2回1話だけ大賞」ノベマ! 青春・恋愛部門の最終選考通過作品から長編化しました。 ――――――――――――― 「あの頃の私を救ってくれて、ありがとう」 悩みを抱える7人の女子高生が、 学校に囚われた「過去の少女たち」と交換日記で心を通わせていく、 学園ロマンシス・ファンタジー。 時を超えた友情でトラウマを乗り越えた彼女たちを待っていたのは、 涙の「秘密の卒業式」。 そこで明かされる中心人物・アサヒの切なすぎる正体と、 彼女がついた「優しい嘘」とは? 十四人七組の女子高校生が織りなす、涙と優しさの群像物語です。 ※この作品の表紙および挿絵の画像作成に、生成AI(にじ・ジャーニー、googleジェミニ)を使用しています。
bar silentは、変わらず静かに嘘をつく

総文字数/2,936

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
スマイルレス、0円。 放置系バーテンダーの正体は、 私を溶かす溺愛料理男子でした。
表紙を見る 表紙を閉じる
老舗旅館の看板猫・クロ(12歳)と大女将は、シンディ・ローパーの曲と共に1984年へ! 目覚めると僕はイケメン青年に、女将は白猫に?! 亡き夫との再会、昭和の大事件、そして明かされる「タイム・アフター・タイム」の真実。 猫としての忠誠心と、人間としての淡い恋心が交錯する、切なくも温かいひととせの奇跡。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop