【激辛ヒューマンドラマ】ぼくだけの聖母(マム)
第13話
時は、午後2時50分頃であった。

またところ変わって、今治城《しろあと》の南側にある小学校の正門にて…

正門の前に亜衣子《あいこ》がいた。

亜衣子《あいこ》は、久義《ひさよし》からの頼みで久伸《ひさのぶ》を小学校《ガッコー》に送り迎えを引き受けていた。

亜衣子《あいこ》が正門に着いた時であった。

黒のランドセルを背負った久伸《ひさのぶ》が正門から出てきた。

亜衣子《あいこ》は、久伸《ひさのぶ》に対して優しく声をかけた。

「久伸《ひさのぶ》〜」
「なんだよ!!」
「どうして怒るのよ…叔母《おば》さんは、おとーさんから久伸《ひさのぶ》の送り迎えを頼まれたのよ。」
「なんで叔母《おば》さんと一緒に帰るのだよ!!」
「なんでって、おとーさんから頼まれたのよ〜」
「聞いてないよ!!」
「どうしてそんなに怒るのよ…きょうはガッコーでなにをしたのかな…と話をしたいのよ…早く帰りましょう!!」

亜衣子《あいこ》は、久伸《ひさのぶ》の手をつかんだあと大急ぎで家へ向かった。

……………………………

時は、午後3時半頃であった。

またところ変わって、ハラプレックスの印刷工場《こうじょう》の作業場にて…

久義《ひさよし》は、印刷に使う紙類を運ぶお仕事をしていた。

この時であった。

工場の責任者の平本さんが久義《ひさよし》に声をかけた。

「園水《そのみ》さん。」
「はい。」
「ちょっとのあいだ…いいかな?」

…………………………

またところ変わって、工場内にある自販機のコーナーにて…

平本さんは、ベンチに座っていた。

久義《ひさよし》は、立っていた。

平本さんは、久義《ひさよし》に対して優しく声をかけた。

「息子さんは新しい小学校に転校したのだね。」
「はい、しました。」
「転校初日はどうだったかな?」
「転校初日はどうだったって?」
「『新しいおともだちはできたかな?』とか『新しいガッコーに不安はないかな…』…と心配になったので聞いたのだよ。」
「そう…ですか?」
「そうだよ…ああ、いもうとさんが息子さんの送り迎えをしているのだね。」
「はい。」
「奥さまのお仕事の関係で、息子さんはなにかとさびしい思いをしているのだよ…それはわかっているよね。」
「わかってますよ…」

平本さんは、温大《はると》に対してこう言うた。

「話し変わるけど、久義《ひさよし》さん以外のごきょうだいで既婚者の方はいるかな?」
「ぼくだけです!!」
「一番上のお兄さんは?」
「リコンしました。」
「リコンした?」
「友汰《クソにい》と京子《クソねえ》は、リコンしたあと好きな人と一緒にジョーハツしたので、園水《いえ》の戸籍《せき》からはずされました!!…子供たちのうち下のふたりは善通寺市《ぜんつうじ》の病院に移りました…倫也《いちばんうえのクソバカ》は、勝手に私立高校《コーコー》をやめたあと家出した〜行方不明になった…ので園水《いえ》からツイホーされたのです…2番目の娘も娘でコーコーへ行かずにフラフラとしている!!…2番目の娘がとくにうざいのだよ!!」

平本さんは、ものすごく困った表情で言うた。

「コーコーへ行かないメイゴがいらつくのだね…よくわかったよ…それじゃあ、私がなんとかしようか?」
「本当ですか?」
「ああ。」
「すみません…仕事に戻ります。」
「わかった。」

このあと、久義《ひさよし》は仕事に戻った。

……………………………

時は、夕方5時半頃であった。

またところ変わって、蒼社川の河口付近にて…

ことみは、川に降りたあと海よりの方を見つめていた。

ことみの両目から涙がたくさんあふれ出た。

ことみは、涙をながしながらつぶやいた。

アタシ…

ガッコーに行きたくない…

ガッコーやめたい…

園水《あのいえ》から出ていきたい…

もうイヤ…

もうイヤ!!

…………………………
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