凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】

対面

パーティー会場は、まさに異世界のようで。

シャンデリアは大きく(きら)めいていて、真っ赤なカーペットが会場中に()かれている。

凪渡くんは当たり前だけれど、こういう場所に慣れていて沢山の人が次々と挨拶に来る。

凪渡くんのお父さんはまだ来ていなかったけれど、私は落ち着いていた緊張がまた戻ってきたように身体がこわばっていた。

「莉帆ちゃん、緊張してるの?」

小声でそう聞いた凪渡くんについ意地をはってしまう。

「ううん、してないよ」




その時、隣にいる凪渡くんの右手が、ほんの一瞬だけ私の左手に触れた。




故意(こい)だと分かるからこそ、一気に心臓のスピードが速くなる。

そして、私の耳に顔を近づける。








「緊張してこそ、でしょ。俺も緊張してるし」







前に私は仁くんに凪渡くんの好きなところは、「いつだってどんなことも私一人で背負わせてくれない人」と言った。

それは今も変わっていない。

こうして一緒に背負って、私の気持ちを軽くしてくれる。

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