バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 死ぬのは嫌だと言いながら、下調べを怠った。
 前世と回帰する前の記憶に引っ張られ、ダグラスは悪い奴だと勝手に思い込んだ挙げ句、これまで散々酷い態度を取ってきたのだ。

 今さら態度を軟化させたところで、「まるで人が変わったようだな」と疑われてしまうだろう。

 ――ダグラスだって、ホトロス王国で騒動が起きている件は掴んでいるはず。
 それを打ち明けてこないあたり、あんな国など滅びてしまえばいいと思っている可能性が高い。

「ねぇ、ラルラ……」
「はい。お嬢様。なんなりと、お申しつけくださいませ」
「今さら私が素直になったところで、気味が悪いと思われるだけですわよね……?」

 ダグラスの名前を出すのが気恥ずかしくて、あえて彼のことは伏せて問いかける。

「いえ。きっと、喜ばれますよ」

 しかし彼女は、こうして思い悩む相手は1人しかいないと悟ってくれたのだろう。
 何も心配はいらないとこちらを安心させるように、優しく微笑んだ。

「陛下は即位したばかりで、毎日のように走り回っております。会えなくて寂しいとお伝えすれば、きっとすぐにでも飛んできてくださるはずです」
「私に構っている暇があるなら、この帝国をよりいい方向へと導くために使ってほしいですわ……」
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