バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「俺は婚約破棄が成立するまで、君のそばにいるだけだ」
「それが迷惑だと言っているんですの!」

 こうして言い争いを続けて交流を深めた俺達は、さまざまなトラブルを潜り抜け――。
 ようやく、想いを通じ合わせることに成功した。

 その時の感動たるや。
 今でも時折幸せすぎて、夢なんじゃないかと寝るのが怖くなる日があった。
 そういう時はルリミカを抱きしめ、彼女のぬくもりを堪能する。

「ダグラス。苦しいですわ……っ」
「あと少しだけ……。君が俺のそばにいると、感じさせてほしい……」

 母親から引き離されるのを嫌がる子どものように駄々を捏ねたのが効いたのだろう。

「仕方ありませんわね……」

 ルリミカは俺の背中を撫でつけたあと、子守唄を歌ってくれた。

「どうか、もう二度と……。あんな男なんか、好きにならないでくれ……」

 彼女がようやく自分だけのものになって嬉しいはずなのに、あの男に再び奪われてしまうのではないかと不安で仕方がない。

 ルリミカを愛し続けるを限り、俺はこの不安を一生抱え続けることになるのだろう。
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