バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 あとは、原作では語られなかった救済の歌姫としての力を使うような大騒動が起きませんようにと願うばかりだった。

「ホトロス王国の国王が叔父なら、元殿下も――」

 あとは寝るだけというタイミングで、寝台に寝転がりながらずっと不思議に想っていた疑問をダグラスにぶつけた。

「夫の前でほかの男の話をするとは、いい度胸だな」

 すると彼の機嫌は急降下し、あっという間に組み伏せられてしまう。
 水色の瞳からは光が薄れ、全身に緊張が走る。

「ふ、深い意味はありませんの。ただの世間話でしてよ!?」
「なら、なぜそんなに焦っている」
「そ、それは……っ。あなたのせいですわ!」
「俺のせいにするのか……」

 彼は聞き分けの悪い子どもへお仕置きをするように、首筋へ噛みついた。
 ぴりりとした痛みに眉を顰めれば、唇だけに歪な笑みが浮かぶ。

 ここではぐらかしたら、口を割るまで啼かされる……!

 足腰が立たなくなるほど激しく抱かれたら、公務に支障が出てしまう。
 それを恐れた私は、破れかぶれのまま叫んだ。
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