何百回でも思う。君に恋してる
そう言ってお母さんは微笑んでくれた。
私が成瀬くんを守れる存在になろう。
そして、いつか彼の恋人になれるといいな。
ー春名栞奈side 終ー
次の日の朝、俺はいつもより早く起きて支度をした。
昨日の夜紬希さんが作ってくれた食事を食べてから、カバンを持って隣の家に向かった。
自分でもらしくないことをしている自覚はある。
けれど、今度こそ守り抜きたいって思うから。
また春名がいじめられないように俺が守る。
そう決意して、俺はチャイムを鳴らした。
「はいはーい。どちら様…って、成瀬くんじゃない〜い。おはよう。どうしたの?」
そう言ってニコッと微笑んでくれた紬希さん。
俺はいつものように無愛想な態度で言った。
「おはようございます。春名を迎えに来ました。まだいますよね?」
そう俺が言うと、とても驚いた表情をされた。
その後ニコッと笑って、家の中に招いてくれた。
「準備までもう少しかかると思うから、リビングで待っていて!そのうち来るから〜」
俺はありがたくリビングで待たせてもらうことにした。
しばらくして、2階から春名が降りてきた。
「おはようお母さん。…えっ!?な、なんで成瀬くんがいるの!?」
俺を見るなり目を丸くした春名。
すでにメイクがされていて、服も制服、髪もきれいに整っていた。
「迎えにきたんですって〜。ほら、早く朝ごはん食べちゃって!」
「う、うん!」
そうして、急いでイスに座るなり朝食を食べ始めた。
それはその様子を正面から見つめる。
すると、春名の動きがピタリと止まった。
「ね、ねえ…なんでそんなに私を見てるの?」
そう言って不思議そうに首を傾げた。
どうやら、見つめすぎたみたいだ。
俺はそれを隠すみたいに、フイッと顔を横に向けた。
「別に」
「…そう」
春名は食事を再開させた。
俺の方を見ていないのを感じて、再び春名に視線を戻した。
それから、俺は言った。
「あんまり無理すんなよ。なんかあったら頼っていいから」
俺の言葉に驚いたように顔をあげた。
それから、控えめに頷いた。
「う、うん…!ありがとう!」
春名の表情が和らいだ気がした。
人に関わりたいだなんて、久しぶりに思った気がする。
春名のおかげで、前に進めている気がする。
俺がふわっと笑うと、春名は顔を赤らめた後下を向いた。
俺は春名の食事が終わるのをじっと見つめながら待っていた。
ようやく春名の準備が終わって、俺たちは学校への道を歩き出した。
英高校は家から近いから徒歩で行ける。
俺たち以外にもそういう奴はいるわけで、学校に近づくにつれ生徒が増えてきた。
春名が居心地悪そうにしている。
周りの目を気にしているんだろう。
「ねえ、あれって成瀬くんと春名さん?一緒に登校してるよ?」
「え〜付き合ってるのかな〜?成瀬くんのこと狙ってたのに」
「絶対不釣り合いだって!」
春名の悪口を言う奴を見つけて、俺は冷たい目で睨んだ。
噂をしていた女子たちは、そさくさと校舎に入っていった。
「あ、あのっ…ありがとう」
春名に礼を言われたので、軽く頷いた。
それから春名の手を引いて、一緒に校舎に入っていった。
そのまま一緒に教室に入った。
教室に入ると俺たちに視線が集まる。
シンとした空間の空気が重苦しい。
そんな空気を破ったのは、柊弥の一声だった。
「晴〜おはよ。あ、春名さんもおはよう」
いつもとなにも変わらない様子で、俺はどこかホッとしていた。
それから、叶羽も俺たちのところに来て言った。
「おはようございます晴様。それに春名さんも」
ふたりはなんら変わる様子がなかった。
だから、俺はこいつらとつるむのがいいと思ってるんだ。
噂には絶対影響されない。
「おはよ。春名も席つけよ」
そう言って、俺は自分の席に向かった。
その後も、俺は極力春名と一緒にいるようにした。
朝の陰口の件もあるし、俺と一緒に春名がいることをいいと思っていない奴も少なくはないだろう。
手を出せないように一緒にいることにした。
そうして、今日1日を終えた。
ー??side 始ー
「あー、ほんっとムカつく!!なにあの女!晴様の近くにいていいとも思ってんの!?そこは私の場所なのに…!」
私はあの春名栞奈とかいう女にムカついている。
だって、私の晴様に手を出したんだもの。
あいつに向ける視線だけ、なぜか特別なように感じる。
だから許せない。
晴様を追って転校までしてきたのに、なにも意味がなくなってしまう。
——奪わなければ。
晴様の隣は私のものなの。
あんなブスにその座を取られるわけない。
と、そんなふうにイライラしていると。
突然甘い声が私にかかった。
「ほんとそう〜!晴くんに近づくなんておこがましいよね」
そう言って笑顔で近づいてきた女の顔に、見覚えがあった。
上月心結…?
でも、なんとなく違う気がした。
「初めて会うよね〜!私は上月咲舞!心結の双子の妹っ!」
そう言われて理解した。
心結と顔はそっくりだが、性格がまるで違う。
サバサバしていてかわいげのない心結と、甘い声のかわいらしい咲舞。
全く違う。
「ねえねえ、あなたは晴くんのこと好きなの?だから、近くにいて彼女ヅラする栞奈が憎い?」
そうニヤニヤ聞いてくるのが、少し不愉快だった。
「憎いに決まってるでしょ!?あんなブスが認められるなんておかしいもの!!」
一瞬、咲舞は恐ろしいほど冷たい目を私に向けた。
怒っているとはまた違う、まるで視線で殺せそうなほど冷たい視線だった。
けれどすぐにそれはなくなって、ニコッと笑った。
「そっかぁ。じゃあさ、私と手を組まない?私も栞奈ちゃんのことは嫌いなんだよね〜。だから、ドン底に落としてあげよ!」
その言葉にグラッと揺れてしまった。
差し出されたその手を、とってしまった。
すると、咲舞が私をグッと引き寄せて言った。
「私たち仲間だね!じゃあ、栞奈ちゃんなんか、すぐに排除しちゃお!」
恐ろしかった。
そんな言葉で表せないほどの執着がそこにはあった。
なにか裏があることはわかった。
でも、栞奈に痛い目を合わせるためだから。
そう自分に言い聞かせて、彼女の手を取ってしまったが運の尽き。
私はもう咲舞の思う壺だった。
ー??side 終ー
次の日の昼休み、突然俺らのところに心結が来た。
珍しいこともあるんだなと思っていると、なにやら焦った様子で俺と距離を詰めて言った。
「晴!!どうしよう…咲舞が…」
その名前を聞いて嫌な汗が出た。
俺は咲舞のことが苦手だ。
ガサツだけど面白くて兄想いな心結とは違って、咲舞は策略的でちょっと狂ってるところがある。
あいつはどの学校でも俺に付きまとってきた。
あいついわく、「晴くんが好きだから」らしいけど本当にそうなのか。
俺に近寄る女を徹底的に排除した後、俺の罪を被せてきた張本人だ。
まさか、今度は栞奈を狙ってるんじゃないか。
すぐにそう思った。
「また咲舞が来たのか?」
「う、うん…。明日からこの学校に転校生として通うって。…晴のクラスで」
やっぱりか。
俺のクラスというのもなにか裏があるだろう。
「たぶん、また晴の近くにいる女たちを排除する気だよ!!最初に狙われちゃうのは栞奈ちゃんかも…どうしよう!?」
「落ち着け…!取り乱してどうする」
心結はハッとした表情をした後、うつむいて黙ってしまった。
心結は姉なのに、いつも咲舞を抑えることができないと責任を感じている。
「ごめんね。本当にごめん」
「…そう思ってるなら、俺に協力してくれるか?」
「も、もちろん!」
私が成瀬くんを守れる存在になろう。
そして、いつか彼の恋人になれるといいな。
ー春名栞奈side 終ー
次の日の朝、俺はいつもより早く起きて支度をした。
昨日の夜紬希さんが作ってくれた食事を食べてから、カバンを持って隣の家に向かった。
自分でもらしくないことをしている自覚はある。
けれど、今度こそ守り抜きたいって思うから。
また春名がいじめられないように俺が守る。
そう決意して、俺はチャイムを鳴らした。
「はいはーい。どちら様…って、成瀬くんじゃない〜い。おはよう。どうしたの?」
そう言ってニコッと微笑んでくれた紬希さん。
俺はいつものように無愛想な態度で言った。
「おはようございます。春名を迎えに来ました。まだいますよね?」
そう俺が言うと、とても驚いた表情をされた。
その後ニコッと笑って、家の中に招いてくれた。
「準備までもう少しかかると思うから、リビングで待っていて!そのうち来るから〜」
俺はありがたくリビングで待たせてもらうことにした。
しばらくして、2階から春名が降りてきた。
「おはようお母さん。…えっ!?な、なんで成瀬くんがいるの!?」
俺を見るなり目を丸くした春名。
すでにメイクがされていて、服も制服、髪もきれいに整っていた。
「迎えにきたんですって〜。ほら、早く朝ごはん食べちゃって!」
「う、うん!」
そうして、急いでイスに座るなり朝食を食べ始めた。
それはその様子を正面から見つめる。
すると、春名の動きがピタリと止まった。
「ね、ねえ…なんでそんなに私を見てるの?」
そう言って不思議そうに首を傾げた。
どうやら、見つめすぎたみたいだ。
俺はそれを隠すみたいに、フイッと顔を横に向けた。
「別に」
「…そう」
春名は食事を再開させた。
俺の方を見ていないのを感じて、再び春名に視線を戻した。
それから、俺は言った。
「あんまり無理すんなよ。なんかあったら頼っていいから」
俺の言葉に驚いたように顔をあげた。
それから、控えめに頷いた。
「う、うん…!ありがとう!」
春名の表情が和らいだ気がした。
人に関わりたいだなんて、久しぶりに思った気がする。
春名のおかげで、前に進めている気がする。
俺がふわっと笑うと、春名は顔を赤らめた後下を向いた。
俺は春名の食事が終わるのをじっと見つめながら待っていた。
ようやく春名の準備が終わって、俺たちは学校への道を歩き出した。
英高校は家から近いから徒歩で行ける。
俺たち以外にもそういう奴はいるわけで、学校に近づくにつれ生徒が増えてきた。
春名が居心地悪そうにしている。
周りの目を気にしているんだろう。
「ねえ、あれって成瀬くんと春名さん?一緒に登校してるよ?」
「え〜付き合ってるのかな〜?成瀬くんのこと狙ってたのに」
「絶対不釣り合いだって!」
春名の悪口を言う奴を見つけて、俺は冷たい目で睨んだ。
噂をしていた女子たちは、そさくさと校舎に入っていった。
「あ、あのっ…ありがとう」
春名に礼を言われたので、軽く頷いた。
それから春名の手を引いて、一緒に校舎に入っていった。
そのまま一緒に教室に入った。
教室に入ると俺たちに視線が集まる。
シンとした空間の空気が重苦しい。
そんな空気を破ったのは、柊弥の一声だった。
「晴〜おはよ。あ、春名さんもおはよう」
いつもとなにも変わらない様子で、俺はどこかホッとしていた。
それから、叶羽も俺たちのところに来て言った。
「おはようございます晴様。それに春名さんも」
ふたりはなんら変わる様子がなかった。
だから、俺はこいつらとつるむのがいいと思ってるんだ。
噂には絶対影響されない。
「おはよ。春名も席つけよ」
そう言って、俺は自分の席に向かった。
その後も、俺は極力春名と一緒にいるようにした。
朝の陰口の件もあるし、俺と一緒に春名がいることをいいと思っていない奴も少なくはないだろう。
手を出せないように一緒にいることにした。
そうして、今日1日を終えた。
ー??side 始ー
「あー、ほんっとムカつく!!なにあの女!晴様の近くにいていいとも思ってんの!?そこは私の場所なのに…!」
私はあの春名栞奈とかいう女にムカついている。
だって、私の晴様に手を出したんだもの。
あいつに向ける視線だけ、なぜか特別なように感じる。
だから許せない。
晴様を追って転校までしてきたのに、なにも意味がなくなってしまう。
——奪わなければ。
晴様の隣は私のものなの。
あんなブスにその座を取られるわけない。
と、そんなふうにイライラしていると。
突然甘い声が私にかかった。
「ほんとそう〜!晴くんに近づくなんておこがましいよね」
そう言って笑顔で近づいてきた女の顔に、見覚えがあった。
上月心結…?
でも、なんとなく違う気がした。
「初めて会うよね〜!私は上月咲舞!心結の双子の妹っ!」
そう言われて理解した。
心結と顔はそっくりだが、性格がまるで違う。
サバサバしていてかわいげのない心結と、甘い声のかわいらしい咲舞。
全く違う。
「ねえねえ、あなたは晴くんのこと好きなの?だから、近くにいて彼女ヅラする栞奈が憎い?」
そうニヤニヤ聞いてくるのが、少し不愉快だった。
「憎いに決まってるでしょ!?あんなブスが認められるなんておかしいもの!!」
一瞬、咲舞は恐ろしいほど冷たい目を私に向けた。
怒っているとはまた違う、まるで視線で殺せそうなほど冷たい視線だった。
けれどすぐにそれはなくなって、ニコッと笑った。
「そっかぁ。じゃあさ、私と手を組まない?私も栞奈ちゃんのことは嫌いなんだよね〜。だから、ドン底に落としてあげよ!」
その言葉にグラッと揺れてしまった。
差し出されたその手を、とってしまった。
すると、咲舞が私をグッと引き寄せて言った。
「私たち仲間だね!じゃあ、栞奈ちゃんなんか、すぐに排除しちゃお!」
恐ろしかった。
そんな言葉で表せないほどの執着がそこにはあった。
なにか裏があることはわかった。
でも、栞奈に痛い目を合わせるためだから。
そう自分に言い聞かせて、彼女の手を取ってしまったが運の尽き。
私はもう咲舞の思う壺だった。
ー??side 終ー
次の日の昼休み、突然俺らのところに心結が来た。
珍しいこともあるんだなと思っていると、なにやら焦った様子で俺と距離を詰めて言った。
「晴!!どうしよう…咲舞が…」
その名前を聞いて嫌な汗が出た。
俺は咲舞のことが苦手だ。
ガサツだけど面白くて兄想いな心結とは違って、咲舞は策略的でちょっと狂ってるところがある。
あいつはどの学校でも俺に付きまとってきた。
あいついわく、「晴くんが好きだから」らしいけど本当にそうなのか。
俺に近寄る女を徹底的に排除した後、俺の罪を被せてきた張本人だ。
まさか、今度は栞奈を狙ってるんじゃないか。
すぐにそう思った。
「また咲舞が来たのか?」
「う、うん…。明日からこの学校に転校生として通うって。…晴のクラスで」
やっぱりか。
俺のクラスというのもなにか裏があるだろう。
「たぶん、また晴の近くにいる女たちを排除する気だよ!!最初に狙われちゃうのは栞奈ちゃんかも…どうしよう!?」
「落ち着け…!取り乱してどうする」
心結はハッとした表情をした後、うつむいて黙ってしまった。
心結は姉なのに、いつも咲舞を抑えることができないと責任を感じている。
「ごめんね。本当にごめん」
「…そう思ってるなら、俺に協力してくれるか?」
「も、もちろん!」


