君に届け!〜ずっと前から好きでした〜
梨紗の瞳が冬の星のように煌めいた。蓮が歌い始める。秋の紅葉や銀杏のように美しい歌声だ。

(蓮くんの歌声、練習した時に独り占めできて幸せだったな……)

二人きりで音楽室に残って練習した日々を思い出し、凛はフッと笑う。蓮は友達として凛を見ていた。それでも幸せな気持ちになれた。

(ずっと前から好きでした)

心の中で告白をする。蓮は振り返ることも、返事を返すこともない。ただ真っ直ぐに熱のこもった目で梨紗を見つめる。

凛は目頭が熱くなるのを感じる。鍵盤に美しい雫が落ちた。











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