君に届け!〜ずっと前から好きでした〜
(私は、蓮くんがこんなになっちゃうほど好きだったんだね……)

蓮は自分を見ていない。ただの友達の一人に過ぎない。それが辛い。苦しい。それでもまだ、蓮のことを考えると胸が高鳴る。蓮の笑顔を見ると、自分まで幸せな気持ちになる。

「蓮くん」

凛は蓮を手招きする。蓮は少し緊張した様子だった。凛は蓮に囁く。

「大丈夫。蓮くんの気持ち、きっと届くよ」

「……そうだといいな」

蓮は少し口角を上げた後、マイクを手にする。凛もピアノに手を置いた。深呼吸をする。そして、真っ直ぐ楽譜を見つめた。

蓮の伝えたい言葉、伝えたい気持ち、それを全てこの一曲に乗せる。痛む心に凛は言い聞かせた。

(大丈夫。私の「好き」もちゃんと音に乗せるよ。ずっと前から好きでしたって)

蓮が凛を見つめる。凛は頷いた後、ピアノを弾き始めた。春の風のように柔らかで、でも真夏の太陽のように力強いメロディーが音楽室中に響く。

「わぁ……!!」
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