義理の兄は、塩対応総長様でした。
第一話 家族
ふう...。
ここが、聖ヴェレンシア学園。
白く大きな校舎とずらりと一直線に並ぶ木々。それから、大きな庭園。ホールに別館。それから寮まで付いている。
(私、本当に受かったんだ...)
かわいらしい制服に身を包んで笑うのはお嬢様たちだけ。ぴしりと制服を着こなして、歩くのは大企業の御曹司様か良家の子息様と聞いている。
こんな場所に、私がいるのには訳がある。
私は、ずらりと文字が並んだ、世界一嫌いな紙...通知表を、先生から受け取った。
「うわぁ...」
びっしりと並ぶCという文字が私の目を見つめてくる。いや、睨んでくるという表現の方が正しいかもしれない。
(ぐぬぬ...)
顔を歪める。
私は、先生と目が合う前に、そろりそろりと列から抜け出した。
「天宮!」
先生が、こちらに向いてぴしりと言い放った。
「しっかりと親御さんに見せるように。」
先生は笑っている。けれど。けれど。目元が笑っていない。
「はい...」
つっと背中に冷や汗が流れた。見せなくてばれないと思ったのは、私だけの秘密だ。
あぁ、また叱られてしまう。
足が重い中、学校を出て通学路を進む。
家が近くになるにつれ、足が重くなる。重い石が縛られているみたいだ。
「嫌だなぁ...」
ぼそぼそと呟きながら、深くため息をはく。
あぁ、家が見えてきてしまった。
ゆっくりと戸を開け靴を脱ぐ。
母親に気付くかれないように、音を立てずに部屋に帰ろうと思ったが、それは甘い考えだった。
「お帰りなさい。彩良。」
玄関に手を組んで立っているのは、お母さん。
「た、ただいま.......」
うう...。見つかってしまった...。
「今日は、成績表が配られたんですって?」
お母さんは笑っているけれど、目元が笑っていない。
「う、うん...」
背中をつっと冷や汗が流れる。この数十分で何度冷や汗が流れただろうか。
「出しなさい!」
ぴしりとお母さんが言い放つ。
肩がびくりとはねる。先ほどのCという文字を思い出すだけで吐き気がする。
私の世界一嫌いな紙はまだ鞄の中に入っている。
「はい、これ...」
私は、しぶしぶお母さんに渡した。
お母さんは、ずらりと文字が並んだ紙に、目を通す。
時間がたてば立つごとに、詳しく言えば、一行見るごとに、お母さんの顔は険しくなる。
「何なの!これ!C,C,C!私の娘とは思えな...」
お母さんは途中まで言って。はっとしたように口をつぐむ。
「すまないわ...。お母さん、少し焦ってるだけなの...。今日は、大切なお話もあるから、部屋でゆっくりしていなさい。」
お母さんは、そういった。
私が、ここまで成績が悪いときにこんな優しい態度は見受けられなかった。びっくりだ。
(お母さん、どうしたんだろ...)
「はぁい...」
何か無駄なことを聞いてお母さんの地雷を踏んだら、これこそどうすれば良いか分からない。
私は黙って、自分の部屋に向かった。
てくてくと階段を上り、部屋の戸を開ける。
いつもほこりっぽい二階が、きれいだった。変わったことは、それくらいしか分からなくて探偵みたいなことはできなかった。
「とりあえず、ねよう...」
「彩良!彩良!開けるわよ!」
お母さんの声で、目を覚ます。
「まって~!今行く!」
お母さんに部屋に入られるのは、好きではないので私が先に部屋を出る。
「あぁもうっ!身だしなみを整えて!そのもこもこも脱ぎなさい!」
お母さんが怒鳴りつけた。
「その必要はない。」
後ろから低い声がした。
「あっ!啓さん!」
お母さんは、どこから出てくるかも分からない高い声で話す。
「紹介するわ。この子が娘の彩良。彩良、この人は今日からあなたのお義父さんになる啓さん。それから、奥にいる二人が廉くんと瑛斗くん。今日からあなたのお兄さんになるわ。ほら彩良、自己紹介して。」
ほかの人たちは、お義母さんが紹介したのに私が自己紹介するんだ...と心の中で思ったけれど、おとなしく言う。
「天宮彩良です!......あ、いや、変わるかも...中学3年です!よろしくお願いします!」
私が緊張しながら言うと、
「よろしくね。あ、君の名字は申し訳ないけど..........天王寺になる。」
にっこりと笑って教えてくれた。
「よろしくね!僕は高校3年生。卒業するけれど、大学に通うつもり。」
お義父さんと、年上であろうお兄ちゃんはそう返事してくれた。
あと一人、確か、廉さん、かな?
「...................」
黙ってしまっている。
「ごめんね彩良ちゃん。ちょっと新しい環境に慣れいないみたい。彼は君の婚約者になるんだけれど、お母さんと僕の会社のことに巻き込んでしまっているだけだから、自由にしてね。彼は気難しいけれど、仲良くしてやって。」
ここここここここここ、婚約者!?それはファンタジーでしょ!?嘘でしょ!?
私は叫びたくなったけれど、やめた。
ここが、聖ヴェレンシア学園。
白く大きな校舎とずらりと一直線に並ぶ木々。それから、大きな庭園。ホールに別館。それから寮まで付いている。
(私、本当に受かったんだ...)
かわいらしい制服に身を包んで笑うのはお嬢様たちだけ。ぴしりと制服を着こなして、歩くのは大企業の御曹司様か良家の子息様と聞いている。
こんな場所に、私がいるのには訳がある。
私は、ずらりと文字が並んだ、世界一嫌いな紙...通知表を、先生から受け取った。
「うわぁ...」
びっしりと並ぶCという文字が私の目を見つめてくる。いや、睨んでくるという表現の方が正しいかもしれない。
(ぐぬぬ...)
顔を歪める。
私は、先生と目が合う前に、そろりそろりと列から抜け出した。
「天宮!」
先生が、こちらに向いてぴしりと言い放った。
「しっかりと親御さんに見せるように。」
先生は笑っている。けれど。けれど。目元が笑っていない。
「はい...」
つっと背中に冷や汗が流れた。見せなくてばれないと思ったのは、私だけの秘密だ。
あぁ、また叱られてしまう。
足が重い中、学校を出て通学路を進む。
家が近くになるにつれ、足が重くなる。重い石が縛られているみたいだ。
「嫌だなぁ...」
ぼそぼそと呟きながら、深くため息をはく。
あぁ、家が見えてきてしまった。
ゆっくりと戸を開け靴を脱ぐ。
母親に気付くかれないように、音を立てずに部屋に帰ろうと思ったが、それは甘い考えだった。
「お帰りなさい。彩良。」
玄関に手を組んで立っているのは、お母さん。
「た、ただいま.......」
うう...。見つかってしまった...。
「今日は、成績表が配られたんですって?」
お母さんは笑っているけれど、目元が笑っていない。
「う、うん...」
背中をつっと冷や汗が流れる。この数十分で何度冷や汗が流れただろうか。
「出しなさい!」
ぴしりとお母さんが言い放つ。
肩がびくりとはねる。先ほどのCという文字を思い出すだけで吐き気がする。
私の世界一嫌いな紙はまだ鞄の中に入っている。
「はい、これ...」
私は、しぶしぶお母さんに渡した。
お母さんは、ずらりと文字が並んだ紙に、目を通す。
時間がたてば立つごとに、詳しく言えば、一行見るごとに、お母さんの顔は険しくなる。
「何なの!これ!C,C,C!私の娘とは思えな...」
お母さんは途中まで言って。はっとしたように口をつぐむ。
「すまないわ...。お母さん、少し焦ってるだけなの...。今日は、大切なお話もあるから、部屋でゆっくりしていなさい。」
お母さんは、そういった。
私が、ここまで成績が悪いときにこんな優しい態度は見受けられなかった。びっくりだ。
(お母さん、どうしたんだろ...)
「はぁい...」
何か無駄なことを聞いてお母さんの地雷を踏んだら、これこそどうすれば良いか分からない。
私は黙って、自分の部屋に向かった。
てくてくと階段を上り、部屋の戸を開ける。
いつもほこりっぽい二階が、きれいだった。変わったことは、それくらいしか分からなくて探偵みたいなことはできなかった。
「とりあえず、ねよう...」
「彩良!彩良!開けるわよ!」
お母さんの声で、目を覚ます。
「まって~!今行く!」
お母さんに部屋に入られるのは、好きではないので私が先に部屋を出る。
「あぁもうっ!身だしなみを整えて!そのもこもこも脱ぎなさい!」
お母さんが怒鳴りつけた。
「その必要はない。」
後ろから低い声がした。
「あっ!啓さん!」
お母さんは、どこから出てくるかも分からない高い声で話す。
「紹介するわ。この子が娘の彩良。彩良、この人は今日からあなたのお義父さんになる啓さん。それから、奥にいる二人が廉くんと瑛斗くん。今日からあなたのお兄さんになるわ。ほら彩良、自己紹介して。」
ほかの人たちは、お義母さんが紹介したのに私が自己紹介するんだ...と心の中で思ったけれど、おとなしく言う。
「天宮彩良です!......あ、いや、変わるかも...中学3年です!よろしくお願いします!」
私が緊張しながら言うと、
「よろしくね。あ、君の名字は申し訳ないけど..........天王寺になる。」
にっこりと笑って教えてくれた。
「よろしくね!僕は高校3年生。卒業するけれど、大学に通うつもり。」
お義父さんと、年上であろうお兄ちゃんはそう返事してくれた。
あと一人、確か、廉さん、かな?
「...................」
黙ってしまっている。
「ごめんね彩良ちゃん。ちょっと新しい環境に慣れいないみたい。彼は君の婚約者になるんだけれど、お母さんと僕の会社のことに巻き込んでしまっているだけだから、自由にしてね。彼は気難しいけれど、仲良くしてやって。」
ここここここここここ、婚約者!?それはファンタジーでしょ!?嘘でしょ!?
私は叫びたくなったけれど、やめた。

