転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
残念ながら妹には記憶はなかったけれど、それでもよかった。ずっとふたり、支え合って生きていけたら――。
だけど、ユリアも前世の記憶を取り戻した。今度こそふたりで生きていくのだと家を出たまではよかったけれど。
『にいちゃ』と呼びかけてくる妹の声。前世の声とは違う。姿だって変わってしまっている。
(グレイス様が言っていたのも、間違いじゃないんだよな)
辺境伯夫人と呼んだら、返事をしてくれない。だから、しぶしぶ『グレイス様』と呼んでいる。
ふたりでの旅暮らしも、問題ないと思っていた。
結界を張れば、ふたりの安全は保てる。魔術を使えば、魔物だって簡単に倒せる。
でも、もし背後から攻撃されたなら? アーゲルひとりでユリアを守るには限界がある。だからこそ、辺境伯家で暮らすことに合意した。
ここでのユリアは、笑っている。辺境伯夫人に、母の面影を感じているのかもしれない。
(……だけどさ)
この屋敷の人達を、どこまで信じていいのだろう。
今はまだいい。だが、ユリアやアーゲルが油断した頃を見計らって、アーゲルを利用して魔術を使わせるかもしれない。
――だから。
だけど、ユリアも前世の記憶を取り戻した。今度こそふたりで生きていくのだと家を出たまではよかったけれど。
『にいちゃ』と呼びかけてくる妹の声。前世の声とは違う。姿だって変わってしまっている。
(グレイス様が言っていたのも、間違いじゃないんだよな)
辺境伯夫人と呼んだら、返事をしてくれない。だから、しぶしぶ『グレイス様』と呼んでいる。
ふたりでの旅暮らしも、問題ないと思っていた。
結界を張れば、ふたりの安全は保てる。魔術を使えば、魔物だって簡単に倒せる。
でも、もし背後から攻撃されたなら? アーゲルひとりでユリアを守るには限界がある。だからこそ、辺境伯家で暮らすことに合意した。
ここでのユリアは、笑っている。辺境伯夫人に、母の面影を感じているのかもしれない。
(……だけどさ)
この屋敷の人達を、どこまで信じていいのだろう。
今はまだいい。だが、ユリアやアーゲルが油断した頃を見計らって、アーゲルを利用して魔術を使わせるかもしれない。
――だから。