転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「ちょっとの間なら、空を飛べるようになった。それで塀を越えたらいい」
「おおおっ!」

 ひそかに魔術を練習しているのだろうなとは思っていたけれど、まさかそこまでになっていたとは。

「それに、いろいろとため込んでいるしね」

 厨房に顔を出すと、料理長が「内緒」と言いながら食べるものをくれるそうだ。
 たいていはビスケットとかナッツやドライフルーツを練り込んだクッキーとか。アーゲルはそれを収納魔術の中に保管していると教えてくれた。

「もう少し大きくなったら冒険者になれるしさ。ここではその準備をするのもありかと思って」
「……そっか」

 ユリアの知らないところで、やはり生家ではいろいろあったのだろう。大人を信じられないというアーゲルの気持ちもわからなくはない。
 できれば、いつまでもその状態でいるのはよくないとは思うけれど、こればかりはユリアにもどうしようもない。

「まあ、大事にしてもらってるっぽいのはわかるしさ……いつ魔術を使えって言われてもおかしくないいとも思っているけれど」
「……そっか」

 同じ言葉を返しながら、ユリアは思う。
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