転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 魔素の様子を観測し、村長に報告して終了。そこから辺境伯家まで戻ってくればいいらしい。

「……こうしてお出かけするのは久しぶりだねえ」

 御者台にいるクヴァールと並んで座ったユリアは、足をばたばたとさせてご機嫌だった。
 今は気候がちょうどよくて、肌寒くもないし暑くもない。こうして御者台から景色を眺めるのは贅沢な気分だ。

「酔ったらすぐに言いなよ。治すから」
「うん!」

 ユリアの隣に座ったアーゲルは、ユリアが酔ったらすぐに回復させる気満々である。お兄ちゃんは過保護なのである。
 冒険者達は、生活道具などを積み込んだ幌付きの馬車を利用している。中で調理もできるし、寝床も作れるから、前世のキャンピングカーのようなものだろうか。
 今は幌を外してしまっていて、ただの荷馬車のようにも見える。

「夜は、子供達が中な?」
「はーい」

 クヴァールの言葉に、ユリアはまた足をばたつかせた。
 魔物が出るし、盗賊も出るし、浮かれた旅行気分でいるのは本当はよくないとわかっていても、こうして出かけるとわくわくしてしまう。

「はしゃいで落ちるなよ」
「落ちないもん!」

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