転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 この果実は、他の植物の陰に隠れるようにして生育するため、よほど目を凝らしていないと見つけるのが難しい。

「種は、冒険者組合に持っていく」
「偉いわ、よく知っているわね。実もあった方が高値で買ってもらえるけれど」

 ロスティに頭を撫でられて、ユリアはにこにこ顔になった。
 この果実、見た目だけではなく味も桃に似ていて、たいそう美味なのだ。だが、傷みやすいという最大の欠点があって、なかなか街では手に入らない。
 そのため、冒険者組合に持っていくと高値で買いとってもらえる。種は、薬に使われるから、美味しいだけではなくて役立つ果実でもある。

「冒険者組合に持っていくまでに傷んじゃうでしょ? だから食べる。でも、薬の材料なら欲しい人がいっぱいいるだろうから売りに行く」
「そうそう。食べたら綺麗に洗っておきましょう」
「うん」

 ちょうどひとり一個食べられる分は集まった。あと、馬車を引いている馬の分も。

「お、こんなところにも薬草が。ユリア、これ摘んでいいんだろ?」
「それ、処理がめんどいから、今日はいいや」

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