転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「にいちゃ、魔術使っているの?」
「うん。念のためにね。前より広い範囲を調べられるようになったよ」

 アーゲルは、そんなことまでできるようになっていたのか。

(あたしは、見たものを覚えていられるだけだからなー)

 ユリアの能力もすごいと言えばすごいけれど、アーゲルと比べるとだいぶ地味である。
 せめて、攻撃する魔術が使えたなら、アーゲルの負担を減らせたのに。
 そう思っているのがアーゲルに伝わったのか、繋いだ手にきゅっと力が込められた。ユリアもきゅっと握り返す。
 そうだ、ユリアが集めた知識が、役に立つこともあるかもしれない。人のことを羨んでいるばかりではなくて、自分にできることもやらなければ。

「……これって、神殿じゃないのかも」
「神殿じゃない?」

 ユリアの言葉に、背後から食いついてきたのはジョイだ。

「うん。入口は神殿ぽかったけど」
「あれなー、俺が知ってるどの神の形式でもないんだよな」

 この世界は多神教で、様々な神が祀られている。けれど、ジョイの知る神殿の形式には似ていないそうだ。

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