転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 どうしても容器代が高くついてしまうから、この仕組みは、スープそのものを安く売るためのものでもあった。
 最初に一回分買ってしまえば、缶をきちんと戻しさえすれば次回からは安く買える。五つに分けているから、仲間達で買って分け合うのもいい。

「……売れるといいね」
「そうだね。これで、辺境伯家の役に立てたらいいけれど」

 と、アーゲルとユリアは話し合ったけれど、思っていた以上にふたりの作った携帯スープは、周囲の人々に受け入れられていた。

 その商人が辺境伯領を訪れたのは、携帯スープを売り出してからひと月ほどが経過した時のことだった。
 彼は、ラーヴァルがその携帯スープを売り出していると聞き、領地以外でも取引をする気はないかと打診しに来たのである。
 アーゲルとユリアは、執務室の窓の側で遊んでいた。盗み聞きするつもりはなかったのだが、いつ呼ばれてもいいように近くで待機していたのだ。
 入ってきた商人は、四十代の人のよさそうな顔つきをした男だった。

「……携帯スープを、か?」
「ええ。辺境伯領以外でも売りに出せたらいいとは思いませんか?」
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