転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「そしたら、なにか、俺達でできることがあったらいつでも言ってくれよ。世話になりっぱなしというわけにもいかないからな!」

 友達と言っていいものか迷ってしまったけれど、ダーンはアーゲルの言葉を受け入れてくれたようだ。
 子供なりに借りっぱなしでいたくないという気持ちが伝わってくる。これでまた一つ、アーゲルにもできることが増えた。
 近いうちにジョイに頼んで施設に連れて行ってもらおう。その前に、ユリアに依頼して、辺境伯家の図書室を調べなければ。
 スキップしそうな勢いで屋敷の方に戻ろうとしたら、女性が近づいてきた。三十代後半だろうか。

(……最近、働き始めた人だよな)

 辺境伯領は景気がいいので、近頃では移住者も増えてきたという。それに、伯爵家の領地から逃げてくる人も増えた。
 さすがに移住者は辺境伯の屋敷で雇うわけにもいかないので、携帯スープの工場や、野菜を育てている農場、牧場などで働いている。
 たぶん、そうやって工場に雇われた人なのだろう。

「モルヴァーリード伯爵家のご子息でいらっしゃいますね?」

 女性は、アーゲルの方に身を屈めて囁いた。アーゲルの眉間に皺が寄る。

< 229 / 270 >

この作品をシェア

pagetop