転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 ふたり揃って、遠い目になる。
 この屋敷では、剣術の優れた腕を持つ者が正義。つまり、アーゲルとユリアはいらない子なわけで。

「もう少し大きくなるまで我慢しようと思っていたけど、僕の能力も、ユリアの能力も、どこに行っても重宝されると思うんだよね。この家じゃいらない能力だけどさ」
「そうだねぇ」

 一度見たもの、読んだものは絶対忘れない記憶。文官としたらすごく重宝されるのではないだろうか。
 でなければ、様々な資料を読み込まねばならない学者とか。この世界に学者という職業があるかどうかはよくわからないけれど。

「すぐに出ていくっていうのはどうかな?」
「僕もそれを考えてた。本当は、もう少し大きくなってからの方が動きやすいんだけどね」

 ユリアがふと口にして、兄妹は顔を見合わせる。
 この屋敷にいたところで、ろくな扱いは受けない。
 この世界の貴族には詳しくないけれど、前世では貴族を扱った様々な作品に触れたことがある。歴史の授業でも学んだのだ。

「でもこのままここにいたら、あたし、殺されちゃうかも」
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