転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 こうして準備をすること二週間。ついに、旅立つ準備が整った。出発は、早朝である。どうせ、朝食の席に姿を見せなくても、誰もユリアのこともアーゲルのことも気にしない。
 どうみてもいいところの子供なふたりの服は、アーゲルがどこかで買ってきた庶民の子供が着る服へと着替えた。
 これを古着屋で買ってきたアーゲルいわく、「服を一着売ったら着替えももらっておつりがきた」だそうだ。やはり、それなりに仕立てのいいものだったようだ。
 それから、肩からかける布製の鞄(かばん)。分厚くてごわごわした布でできているが、とても丈夫なものだそうだ。
 この中には当面の食料と食器に、ちょっとしたお金、水筒を入れる。アーゲルの鞄には、鍋とナイフも入っている。
 アーゲルの収納魔術の中には、屋敷の食糧庫からいただいた食料、果樹園のオレンジ――アーゲルがこっそりとってきてくれた――、それに毛布。
 本当は毛布は自分で持っていくべきだろうけれど、ふたりの身体では毛布を持って歩くのでは体力の消耗が激しすぎる。

「テントみたいなのは持たなくていいの?」
「大丈夫。それは僕に任せておいて」

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