転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
「お帰りなさい、冒険者さん達のお見送りはできた?」
「はい!」

 宿の女将が声をかけてくれたので、ユリアもアーゲルもいい笑顔で返事をしておく。
 おとなしくしている限り、必要以上に声をかけられることはないだろう。
 その日は一日、宿屋の周囲で遊んだり、部屋で昼寝をしたりして過ごした。

(なーんか、嫌な予感がするんだよね)

 ユリアには虫の知らせなんて能力はないが、今日は胸がざわざわして落ち着かない。
 パンとサラダと鶏肉がたっぷり入ったミルクシチューの夕食を終えてから、部屋に入る。子供達がちゃんと歯磨きをして寝間着に着替えてベッドに入るのを女将が確認に来た。
 彼女が部屋の明かりを落として出て行ってから、ユリアはもぞもぞとベッドに起き上がった。昼間、少し昼寝をしすぎただろうか。少しも眠くならない。

「ユリアも眠れない?」
「にいちゃも? なんか、嫌な予感がするっていうか」
「僕もなんだよねぇ」

 どうせ、明日は多少寝過ごしてもかまわない。眠くなるまでおしゃべりでもしようかとアーゲルのベッドに場所を移す。
 ふたりでごろごろとしながら、ここまでの旅について振り返った。
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