転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 途中で『星を守る者』に同行することになったのはちょっと困ったが、こうしている今、悪くはない選択肢だったようにも思える。
 大人が一緒に旅をすることで、子供だけの時よりも好奇の視線にさらされる回数はぐっと減った。

「でも、人を信じるのは怖いね」

 ぼそりとアーゲルが言う。

(にいちゃはきっと、私が知らないいろいろなことを知っているんだろうな)

 アーゲルは、一歳になる前に前世の記憶が戻ったと教えてくれた。
 だから、あの家での扱いもおかしなものだとわかっていたのだろう。それでも彼がひとりで家を出て行かなかったのは、ユリアを守るため。
 あの家でひとりユリアを守り続けたからこそ、ユリアよりもいろいろと見聞きしていそうだ。その分精神的な負担も大きかっただろうから、こちらから追求する気にはなれなかった。

「……あれ?」

 物音が聞こえてきたのは、日付が変わろうかという頃合いだった。
 まだ眠れなかったユリアとアーゲルは、飛び跳ねるように身を起こして顔を見合わせる。

「なんだろ……」
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