転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 その隙に、ユリアとアーゲルは走りだしていた。すれ違う村人達が子供達に声をかけてくれるが、それ以上かまっている余裕はなさそうだ。
 村の入口にある門は扉が閉められようとしていたけれど、押し寄せてくる魔物の勢いの方が強い。

「にいちゃ! 門の前に壁!」
「おっけえ!」

 ユリアの指示で、アーゲルが短杖を振った。ドンッと重い音がしたかと思えば、門に群がっていた魔物を弾くようにして、下から硬い土の壁がせり上がってくる。

「ねえ、門の外に出た人いるの?」
「いや、冒険者達だけだよ」
「にいちゃ! 遠慮しなくていい! あの人達は、しばらく戻ってこないだろうから」

 村の周囲は、ぐるりと壁に囲まれている。だが、魔物達が体当たりをしかけていることによって、その壁はみしみしと鳴り始めていた。

「どうしよう、このままでは壁まで崩される!」
「僕に任せて!」

 アーゲルが再び短杖を振る。村人達のいる位置からは見えないだろうが、壁の外にもう一枚壁を作り上げた。しかも、その壁はさらにぐんぐん伸びて行って、村の周囲を囲んでいる壁より少し高い位置まで背を伸ばす。

「しまった、村の外が見えない!」
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