転生したけど捨てられそうなので、兄妹で楽しく生きることにします~超チートな家出兄妹は辺境で幸せ家族ができました~
 屋敷の人達は、アーゲルとユリアを熱烈に歓迎してくれた。なにか裏があるのではないかと思ってしまうほどの歓待ぶりだ。

「変っていうか、子供が好きなんだよ」

 辺境伯家では、ふたりのことを聞いてから歓迎の準備をしてくれていた。それは、彼らがもともと持っていた気質であって、特におかしなわけではなかったらしい。
 アーゲルもユリアも、絵本よりも難しい本を読めると言ったら、執事はすっと姿勢を正していた。

「すぐにご用意いたします」

 と言って姿を消した彼は、まっしぐらに図書室に行ったそうだ。そこまで急ぎの用事でもなかったのに。
 厨房は、一階の一番奥にある。ジョイはふたりを制しておいて、入口のところから中に声をかけた。ユリアは、ジョイの足の隙間から中をのぞき込んでみる。
 厨房では、たくさんの人が忙しそうに行き来していた。作業台で食材の下ごしらえをしている人。竈に向かい、大きな鍋をかき回している人。
 隅の方ではまかないを食べている人もいる。
 さまざまな調理器具が壁にかけられ、作業台の上に並んでいる。

「料理長、ちょっといいか?」
「どうしました?」

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