クロとシロと、時々ギン

真実はすぐそばに(9)

 私は首を傾げる。
 シロ先輩は小さく咳払いをして、再び口を開いた。

「ほらまぁ、幼馴染だし。一応報告だけはしておこうと思ってたんだけど」

 つまり、先ほどシロ先輩は、私との関係を白谷吟に打ち明けようとしていたということなのだろう。

「でもなんか、あいつ知ってたんだよな」

 シロ先輩は困ったような表情を浮かべている。
 私は、小さく手を挙げた。

「あの……ごめんなさい。実は、白谷先輩には私が」

 そう告げると、シロ先輩は驚いた顔をした。
 シロ先輩は少しの間呆然としていたが、やがてプッと吹き出した。
 ひとしきり笑うと、目に滲んだ涙を拭いながら言う。

「そっか。いや、いいんだ。お前、そういうの嫌がるかなと思ったんだけど、でも、吟にだけはと思ってさ」

 シロ先輩はまだ少し可笑しそうな顔をして私を見ていた。
 そして腕を伸ばし、私の頭をポンポンと叩く。
 シロ先輩は、私があまり周囲からそういった目で見られたくないだろうと考えてくれているようだ。

 まさにその通り。
 恋愛をすると浮かれて周囲に言って回る人もいるが、私はあまり言いたくない。浮かれた姿も見せたくない。
 この人は、一体どこまで私のことを理解してくれているのだろう。
 そう思うと、なんだか恥ずかしくて下を向いてしまった。

「だけど意外だな。クロが自分から吟に言うなんて」
「それは……」

 私は俯いたままモゴモゴと言い淀む。

「昨日、会いたいって連絡くれたよな? 俺がダメだったから、吟に会ったのか?」
「その言い方はちょっと……」

 苦笑いを浮かべながらも、私はコクリと小さく頷く。
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