クロとシロと、時々ギン

弱点は、たまご!?(2)

 だが、だからといって後輩に全員分を奢らせるわけにはいかない。

「私のはいいよ。自分で買うから」

 そう断ると、萌乃は納得していない様子で眉を寄せた。

「でも……」
「大丈夫だって。シロ先輩の分も私が買うよ。それより早くしないと置いていかれちゃうよ」

 私は萌乃の肩を軽く叩き、シロ先輩たちの方を見るよう促した。彼らは私たちが来ないことに気づいたのか、足を止めて待っている。
 萌乃はハッとしたように彼らに頭を下げ、申し訳なさそうに私を見た。私が軽く頷くと、萌乃は急いで先輩たちの元へ駆けていった。
 私も急いで自分用のミルクティーと、シロ先輩用のコーラを買って後を追う。早速シロ先輩の不満が飛んできた。

「遅いぞ、クロ」
「すみません、シロ先輩。これで許してください」

 コーラを差し出すと、シロ先輩が目を丸くした。

「おっ! コーラか。ちょうど飲みたいと思ってたんだよな。まあ、これに免じて許してやるか」

 シロ先輩はニカッと笑う。どうやらご機嫌取りに成功したらしい。

 私たちのチームはこれから小会議室に籠り、新案件の対策会議を行うことになっている。
 所属部署が違う私たちは、チームとして動くとき、まずこうして話し合いをすることにしているのだ。
 会議室に入り、全員が席につくのを待って、白谷吟がホワイトボードの前に立った。チームを組んで数ヶ月、それぞれの立ち位置も決まりつつあった。といっても、ほとんどはシロ先輩と白谷吟が中心で、私と萌乃はその指示のもと動くだけなのだけれど。

 今日の議題は、次の挙式のテーマについて。
 新郎新婦のプロフィールと希望をもとに、どんなテーマを設定するべきか話し合う。
 まず最初に、白谷吟から今回の調査概要が説明された。

 リサーチに協力してくれるカップルは、挙式にあまりお金をかけられない。それでも「思い出に残る結婚式を挙げたい」という希望があり、食事には少しこだわりたいとリクエストが出ていた。
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