クロとシロと、時々ギン

弱点は、たまご!?(4)

「イメージに訴える?」

 シロ先輩の提案の意図が分からず、私は首を傾げた。

「結婚式の料理って聞くと、フルコースを思い浮かべる人が多いだろ。だから、前回みたいなビュッフェ形式じゃなくてコース料理を出す。ただし、ゲスト一人一人に一皿ずつじゃなくて、テーブルに大きな料理を1つ置く。それをみんなでシェアしながら食べる。そうだな……中華料理屋の円卓みたいなイメージか」
「へぇ! それならインパクトがあっていいかもしれないね」

 シロ先輩の説明に、白谷吟が顔を綻ばせて賛同する。

「大皿で運べばアテンドスタッフも減らせますし、運ぶ手間も省けますね」

 私もシロ先輩の意見に賛成だった。しかし、シロ先輩は苦笑いを浮かべる。

「ただ、その提供方法でどんなメニューが作れるのか、俺には分からないんだけどな」
「まあ、細かいことは後からってことで」

 白谷吟はそう言ってから、再び私たちを見る。

「というわけで、まずは今回のコンセプトだけど、『シェアするフルコース』でいいかな。異論はある?」
「はい。大丈夫だと思います」
「賛成です」

 私が答えると、萌乃も同じタイミングで返事をした。

「よし。じゃあ次は、どんなコース料理にするかだね。メニューは決められなくても、方向性だけは固めよう。和食、洋食、中華、イタリアン、フレンチ、創作料理……色々考えられるけど、どんなものが大皿提供に合うと思う?」

 白谷吟が意見を求めると、最初に口を開いたのは萌乃だった。

「あの……料理のジャンルって、和食か洋食かって決めなきゃいけないんですか?」

 白谷吟が首を傾げる。

「どういうこと?」
「例えばですけど、1つの食材を“メインテーマ”にして、その食材を使った料理だけを提供するのはどうでしょうか?」
「メインテーマ?」
「仮にリンゴをテーマにしたら、どの料理にも必ずリンゴを使うんです。つまり“リンゴのフルコース”にする。1つの食材を多用すれば、コストカットにもなるんじゃないかと思って」

 なるほど。確かに食材をまとめて購入すれば、それだけコストを抑えられるだろう。
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