優秀な後輩で私も嬉しく思うので、どうぞ『先輩離れ』してください
会議は大団円のうちに幕を閉じ、役員たちは満足げな表情を残して次々と退室していった。やがて広い会議室には、私と一ノ瀬くんの2人だけが残された。張り詰めていた空気が嘘のように緩み、隣で彼がふっと息を吐く。
「お疲れ様です、先輩。完璧でしたね。僕、隣で見ていて惚れ惚れしちゃいました」
「ふふっ、ありがとう。一ノ瀬くんやメンバーがしっかりとした土台を作ってくれたからよ。それに、隣にいてくれて心強かったわよ」
そう言葉を交わしながら、胸の奥に残っていたわずかな緊張がゆっくりと解けていくのを感じた。
静まり返った会議室をぐるりと見渡す。先ほどまで多くの視線と評価が飛び交っていた場所とは思えないほど穏やかで、その余韻がどこか心地よい。そして、その余韻ごと抱きしめるような気持ちで私は彼を見上げた。
「手の平を返した彼らの顔、見ましたか? 気持ちよかったですね」
「性格悪いわよ、一ノ瀬くん。……でも、そうね。少しだけ、スカッとしちゃった」
肩の力が抜けたまま、思わず本音がこぼれる。あれほど重くのしかかっていた視線や評価が、一転して賞賛へと変わった。その瞬間の感触が遅れてじわじわと胸に広がっていく。
私が悪戯っぽく笑うと、その空気を受け取るように彼もまた柔らかく目を細めて笑った。その穏やかな笑顔を見ていると、張り詰めていた時間さえも全てが報われたものに思えたのだった。
「お疲れ様です、先輩。完璧でしたね。僕、隣で見ていて惚れ惚れしちゃいました」
「ふふっ、ありがとう。一ノ瀬くんやメンバーがしっかりとした土台を作ってくれたからよ。それに、隣にいてくれて心強かったわよ」
そう言葉を交わしながら、胸の奥に残っていたわずかな緊張がゆっくりと解けていくのを感じた。
静まり返った会議室をぐるりと見渡す。先ほどまで多くの視線と評価が飛び交っていた場所とは思えないほど穏やかで、その余韻がどこか心地よい。そして、その余韻ごと抱きしめるような気持ちで私は彼を見上げた。
「手の平を返した彼らの顔、見ましたか? 気持ちよかったですね」
「性格悪いわよ、一ノ瀬くん。……でも、そうね。少しだけ、スカッとしちゃった」
肩の力が抜けたまま、思わず本音がこぼれる。あれほど重くのしかかっていた視線や評価が、一転して賞賛へと変わった。その瞬間の感触が遅れてじわじわと胸に広がっていく。
私が悪戯っぽく笑うと、その空気を受け取るように彼もまた柔らかく目を細めて笑った。その穏やかな笑顔を見ていると、張り詰めていた時間さえも全てが報われたものに思えたのだった。