優秀な後輩で私も嬉しく思うので、どうぞ『先輩離れ』してください
何度も綿密な会議を重ね、惜しみない努力を注ぎ続けてきた。
「以上が、本製品の最終確定版となります」
その集大成たる新製品の最終プレゼンを終えた直後、静まり返っていた役員会議室に、堰を切ったような拍手が満ちていく。誰ひとりとして曇った表情はなく、全員が晴れやかな笑顔でこちらを見ていた。
「素晴らしい。当初の懸念を完全に払拭する、厚みのある戦略だ」
最初に口を開いたのは、あの日、廊下で私を「一ノ瀬くんがリーダーなら」と評していた常務だった。手元の資料と壇上に立つ私たちとを見比べながら、感嘆するようにゆっくりと頷く。
「一ノ瀬くんのデータ分析も見事だが、それを単なる数字に留めず、『生活者の物語』にまで昇華させたのは白石くん__君の感性だ。商品開発から販促まで、1本の太い芯が通っている」
会議室の空気が静かに同意を示す。言葉にされずとも、皆が同じ評価を抱いていることがはっきりと伝わってきた。
「ありがとうございます、常務。現場の声を拾い上げ、地道な市場調査を積み重ねた結果です。ですが、これはメンバー全員の努力があってこそ辿り着けたものです」
他の役員たちも、手のひらを返したかのように「流石だ」「白石くんに任せて正解だった」と次々に賛辞を送ってくる。かつては胸を締め付ける原因だった彼らの言葉も、今は過去の評価として冷静に受け止められていた。
それができるのは最終プレゼンに同席してくれたサブリーダー、一ノ瀬君の存在が大きい。誰よりも深くこの企画を理解している彼が隣にいてくれる。その事実こそが、何よりの支えだった。
「以上が、本製品の最終確定版となります」
その集大成たる新製品の最終プレゼンを終えた直後、静まり返っていた役員会議室に、堰を切ったような拍手が満ちていく。誰ひとりとして曇った表情はなく、全員が晴れやかな笑顔でこちらを見ていた。
「素晴らしい。当初の懸念を完全に払拭する、厚みのある戦略だ」
最初に口を開いたのは、あの日、廊下で私を「一ノ瀬くんがリーダーなら」と評していた常務だった。手元の資料と壇上に立つ私たちとを見比べながら、感嘆するようにゆっくりと頷く。
「一ノ瀬くんのデータ分析も見事だが、それを単なる数字に留めず、『生活者の物語』にまで昇華させたのは白石くん__君の感性だ。商品開発から販促まで、1本の太い芯が通っている」
会議室の空気が静かに同意を示す。言葉にされずとも、皆が同じ評価を抱いていることがはっきりと伝わってきた。
「ありがとうございます、常務。現場の声を拾い上げ、地道な市場調査を積み重ねた結果です。ですが、これはメンバー全員の努力があってこそ辿り着けたものです」
他の役員たちも、手のひらを返したかのように「流石だ」「白石くんに任せて正解だった」と次々に賛辞を送ってくる。かつては胸を締め付ける原因だった彼らの言葉も、今は過去の評価として冷静に受け止められていた。
それができるのは最終プレゼンに同席してくれたサブリーダー、一ノ瀬君の存在が大きい。誰よりも深くこの企画を理解している彼が隣にいてくれる。その事実こそが、何よりの支えだった。