トップアイドルは白衣の天使に恋をする
「いただきます」

2人で手を合わせる

一口食べる

「……うま」

思わず、また同じ言葉が出る

紗凪が少し不安そうにこっちを見る

「どう?」

「めっちゃ美味い」

即答

その瞬間、ぱっと表情が明るくなる

分かりやすいな

そんなところも、可愛い

「今日ね、梓と出かけてたの」

ご飯を食べながら、楽しそうに話し始める

「そうなんだ」

自然と耳を傾ける

ショッピングに行ったこと

カフェに入ったこと

笑いながら話すその姿

くるくる変わる表情

「それでね――」

話が止まらないくらい楽しそうで

それを見てるだけで――

こっちまで、自然と笑顔になる

…よかったな心から、そう思う

この間まであんなに落ち込んでたのに

今はちゃんと笑えてる

それだけで、十分だった

梓ちゃんには感謝しないと

「いい友達がいてよかったな」

そう言うと

「うん!」

迷いなく頷く

その笑顔が、やけに眩しくて



まだ全部解決したわけじゃない

でも少なくとも今、この瞬間は

この笑顔を守れてる

そう思うと――

胸の奥が、じんわり温かくなった
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