アンコールはリビングで
「おはよー……」
寝ぼけ眼でリビングへ行くと、ソファでギターを抱えていた彼が振り返った。
「お、やっと起きたか。おせーよ、凪」
「……おはよう。……早いね」
「ん、なんか目が覚めちまってな。コーヒー淹れてあるぞ」
彼はギターを置いて悪戯っぽく笑うと、ポンポンと自分の隣――ソファの隙間を叩いた。
「ほら、こここいよ」
「……ん」
私は吸い寄せられるように彼の隣に座り、そのまま彼の肩に頭を預けた。
すると、待っていましたと言わんばかりに、大きな手が私の腰に回り、ぐっと引き寄せられる。
「……湊、いい匂いする」
「だろ?……ほら、お前のはカフェインレスにしてあるぞ。胃、荒れてんだろ?」
「……さすが、分かってる」
彼がテーブルからマグカップを取り、私の手元に運んでくれる。
一口飲むと、優しい温かさと香りが、強張っていた神経をじんわりと解いていく。
カフェインレスの優しさと、隣にある彼の体温。これ以上の癒やしはない。
「……はぁ、生き返る……」
「おつかれ。今週、あんま話せてなかったし」
湊が私の髪を指で梳きながら、ぽつりと呟いた。
その声に、ほんの少しだけ拗ねたような響きが混じっていることに気づいて、私はふふっと笑った。
「もしかして湊、寂しかった?」
「……あ? 別に」
彼は分かりやすく視線を逸らしたが、腰に回した手にはぎゅっと力がこもった。
「……ただ、凪の成分が足りてねぇなとは思ったけど」
「何それ、可愛いこと言う」
「うっせ。……充電させろ」
彼はそう言うと、私の首筋に顔を埋め、深呼吸するように息を吸い込んだ。
くすぐったいけれど、愛おしい。
国民的スターの彼が、家ではこんなに甘えん坊だなんて、世界中で私しか知らない特権だ。
しばらくそうして、お互いの体温を分け合っていると、彼が顔を上げた。
寝ぼけ眼でリビングへ行くと、ソファでギターを抱えていた彼が振り返った。
「お、やっと起きたか。おせーよ、凪」
「……おはよう。……早いね」
「ん、なんか目が覚めちまってな。コーヒー淹れてあるぞ」
彼はギターを置いて悪戯っぽく笑うと、ポンポンと自分の隣――ソファの隙間を叩いた。
「ほら、こここいよ」
「……ん」
私は吸い寄せられるように彼の隣に座り、そのまま彼の肩に頭を預けた。
すると、待っていましたと言わんばかりに、大きな手が私の腰に回り、ぐっと引き寄せられる。
「……湊、いい匂いする」
「だろ?……ほら、お前のはカフェインレスにしてあるぞ。胃、荒れてんだろ?」
「……さすが、分かってる」
彼がテーブルからマグカップを取り、私の手元に運んでくれる。
一口飲むと、優しい温かさと香りが、強張っていた神経をじんわりと解いていく。
カフェインレスの優しさと、隣にある彼の体温。これ以上の癒やしはない。
「……はぁ、生き返る……」
「おつかれ。今週、あんま話せてなかったし」
湊が私の髪を指で梳きながら、ぽつりと呟いた。
その声に、ほんの少しだけ拗ねたような響きが混じっていることに気づいて、私はふふっと笑った。
「もしかして湊、寂しかった?」
「……あ? 別に」
彼は分かりやすく視線を逸らしたが、腰に回した手にはぎゅっと力がこもった。
「……ただ、凪の成分が足りてねぇなとは思ったけど」
「何それ、可愛いこと言う」
「うっせ。……充電させろ」
彼はそう言うと、私の首筋に顔を埋め、深呼吸するように息を吸い込んだ。
くすぐったいけれど、愛おしい。
国民的スターの彼が、家ではこんなに甘えん坊だなんて、世界中で私しか知らない特権だ。
しばらくそうして、お互いの体温を分け合っていると、彼が顔を上げた。