アンコールはリビングで
Blueprint 1 不協和音とひとつの正解
1. 画面越しのチューニング
「……ふぅ」
首元に触れていた熱い吐息が離れ、隣で、湊が満足げに小さく息を吐いた。
まるで、長い旅から帰ってきたような、静かで深い呼吸。
彼は私の首筋から顔を上げると、今度は私の肩に顎を乗せ、ぐりぐりと頭を擦り付けてきた。
子犬……いや、大型犬が定位置に収まったような、遠慮のない重量感だ。
「……なに? 重いんだけど」
「いーじゃん、充電」
私の抗議をさらりと流し、彼は私の肩に頭を預けたまま、機嫌良さそうに画面を見ている。
さっきは「過去の自分に胃もたれした」なんて言って眉間に皺を寄せていたけれど、どうやら悪い思い出タイムは終わったらしい。
むしろ、何かとびきり良いことでも思い出したのか、纏っている空気が甘く、柔らかくなっている気がする。
「……はいはい」
その体温と、少し擽ったい髪の感触を心地よく感じながら、私もつられて画面の中へと意識を戻した。
「……ふぅ」
首元に触れていた熱い吐息が離れ、隣で、湊が満足げに小さく息を吐いた。
まるで、長い旅から帰ってきたような、静かで深い呼吸。
彼は私の首筋から顔を上げると、今度は私の肩に顎を乗せ、ぐりぐりと頭を擦り付けてきた。
子犬……いや、大型犬が定位置に収まったような、遠慮のない重量感だ。
「……なに? 重いんだけど」
「いーじゃん、充電」
私の抗議をさらりと流し、彼は私の肩に頭を預けたまま、機嫌良さそうに画面を見ている。
さっきは「過去の自分に胃もたれした」なんて言って眉間に皺を寄せていたけれど、どうやら悪い思い出タイムは終わったらしい。
むしろ、何かとびきり良いことでも思い出したのか、纏っている空気が甘く、柔らかくなっている気がする。
「……はいはい」
その体温と、少し擽ったい髪の感触を心地よく感じながら、私もつられて画面の中へと意識を戻した。