アンコールはリビングで
3. 指先の記憶と、ドビュッシー
ランチを終え、俺たちは渋谷から原宿エリアへ移動し、老舗の楽器店に立ち寄った。
俺のリクエストだ。
ヴィンテージのアコギが並ぶ壁を見て、俺は目が輝くのを抑えられない。
***
「すみません、このギター、試奏させてもらってもいいですか?」
店員さんに許可をもらい、早瀬くんがヴィンテージのアコギを構える。
軽くチューニングをして、彼がピックを振り下ろした。
ジャラー……ン
枯れた、でも温かみのある音が響く。
彼は軽くコードを鳴らし、いくつかのフレーズを爪弾き始めた。
真剣な眼差し。弦を押さえる長い指。楽器と一体化したような佇まい。
歌う時のラフな格好とは違って、デートの勝負服で爪弾かれるギターはたまらない。
(やっぱり、音楽をしてる時の早瀬くんは別世界の人みたい。誰よりかっこよくて、遠い……)
あまりのかっこよさに、直視しているとクラクラしてきそうだ。
彼はまだギターの感触を確かめるように弾き込んでいたので、私は熱を冷ますように、ふらふらとピアノコーナーへ足を向けた。
ランチを終え、俺たちは渋谷から原宿エリアへ移動し、老舗の楽器店に立ち寄った。
俺のリクエストだ。
ヴィンテージのアコギが並ぶ壁を見て、俺は目が輝くのを抑えられない。
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「すみません、このギター、試奏させてもらってもいいですか?」
店員さんに許可をもらい、早瀬くんがヴィンテージのアコギを構える。
軽くチューニングをして、彼がピックを振り下ろした。
ジャラー……ン
枯れた、でも温かみのある音が響く。
彼は軽くコードを鳴らし、いくつかのフレーズを爪弾き始めた。
真剣な眼差し。弦を押さえる長い指。楽器と一体化したような佇まい。
歌う時のラフな格好とは違って、デートの勝負服で爪弾かれるギターはたまらない。
(やっぱり、音楽をしてる時の早瀬くんは別世界の人みたい。誰よりかっこよくて、遠い……)
あまりのかっこよさに、直視しているとクラクラしてきそうだ。
彼はまだギターの感触を確かめるように弾き込んでいたので、私は熱を冷ますように、ふらふらとピアノコーナーへ足を向けた。