アンコールはリビングで
19 聖域の晩餐
1. 華金の足取りと、秘密の紙袋
金曜日。
オフィスの時計が定時を回った瞬間、私は誰よりも早く「お疲れ様でした!」と挨拶をして会社を飛び出した。
最寄り駅からの帰り道、足取りは自然と軽くなる。
数日前、彼の過去の恋愛に端を発した、私らしくない「嫉妬」という黒い感情。
けれど、あんな風に泣いてしまった私を、彼は呆れるどころか、圧倒的な熱と愛の言葉で丸ごと包み込み、綺麗に溶かして消してくれたのだ。
(......本当に、敵わないな)
思い出すだけで胸の奥が甘く疼く。
彼への愛おしさと信頼が、あの一夜を経て、さらに一段階深くなった気がした。
週末の金曜日。
今日は私たちにとって、付き合って丸4年になる大切な記念日だ。
春の気配を含んだ夜風が心地よく、スーパーに寄って足りない食材を少しだけ買い足すと、足早に私たちのマンションへと向かった。
玄関のドアを開け、明かりの点いていない静かなリビングに入る。
ドラマのクランクアップを無事に終え、今はアルバム『Sanctuary』のプロモーションと、初夏に控えるツアーの準備に追われている彼は、今日もスタジオに缶詰になっているはずだ。
金曜日。
オフィスの時計が定時を回った瞬間、私は誰よりも早く「お疲れ様でした!」と挨拶をして会社を飛び出した。
最寄り駅からの帰り道、足取りは自然と軽くなる。
数日前、彼の過去の恋愛に端を発した、私らしくない「嫉妬」という黒い感情。
けれど、あんな風に泣いてしまった私を、彼は呆れるどころか、圧倒的な熱と愛の言葉で丸ごと包み込み、綺麗に溶かして消してくれたのだ。
(......本当に、敵わないな)
思い出すだけで胸の奥が甘く疼く。
彼への愛おしさと信頼が、あの一夜を経て、さらに一段階深くなった気がした。
週末の金曜日。
今日は私たちにとって、付き合って丸4年になる大切な記念日だ。
春の気配を含んだ夜風が心地よく、スーパーに寄って足りない食材を少しだけ買い足すと、足早に私たちのマンションへと向かった。
玄関のドアを開け、明かりの点いていない静かなリビングに入る。
ドラマのクランクアップを無事に終え、今はアルバム『Sanctuary』のプロモーションと、初夏に控えるツアーの準備に追われている彼は、今日もスタジオに缶詰になっているはずだ。