アンコールはリビングで
(……ふふ、我ながら完璧な献立かも)

お皿をダイニングテーブルに並べながら、ふと、この4年間のことが脳裏をよぎった。

付き合い始めた直後、彼が信じられないほどの早口で、まるで億単位のプロジェクトを通すかのように完璧な「同棲プレゼン」をしてきたこと。

『移動コストの削減』だの『発覚リスクの回避』だのと、理路整然と並べ立てるその言葉の裏に、ただ「ずっと一緒にいたい、離れたくない」という切実な本音が透けて見えて、思わず笑ってしまったこと。

そして、同棲を始めるにあたって、「しっかり凪さんのご両親にも挨拶しておかないと」と、私の実家へ来てくれたこと。
普段はあんなに堂々としている彼が、私の父を前にして、柄にもなくガチガチに緊張して言葉を紡いでいた。

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