アンコールはリビングで
「……ほんとはあのまま襲いたかったけど、うつすの嫌だったから我慢したの。……褒めて?」

首筋に吐息を当てながら囁かれた、低くて甘い声。

心臓がドキンと大きく跳ね上がり、顔が一気にカッと熱くなる。
理性が戻って、いつもの『確信犯な俺様』が完全に復活しているのだ。

首筋に触れる彼のサラサラとした髪と、甘えるようにすりすりと擦り寄ってくる体温にドキドキしながらも、私は「はいはい」と苦笑して、彼の広い背中を優しくポンポンと撫でた。

「よしよし。えらいえらい、よく我慢できました」

「……扱いが犬なんだけど」

「だって、昨日の湊は完全に大型犬だったもん」

私がからかうように言うと、湊はふっと顔を上げ、上から私をじっと見つめ下ろした。
熱っぽさは抜けたものの、その瞳にはひどく甘く、危険な光が宿っている。

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