アンコールはリビングで
「……ふーん?」

彼がニヤリと口角を上げた次の瞬間、私の首筋に、チュッ、と軽いキスが落とされた。

「ひゃっ……っ」

「犬扱いした罰」

そのまま、首筋から耳元へと、熱を帯びた唇がちゅっちゅっとついばむように這っていく。

「んっ、ちょ、湊……っ、くすぐったい……っ」

抗議しようと身を捩った瞬間、ベッドに手をついていた彼の手がゆっくりと滑り降り、パジャマ越しの私の身体の側面――華奢な脇腹から腰のラインを、指先でなぞるように撫で上げてきた。

「あっ……だ、だめっ……!」

ビクッと身体を震わせた私を見て、湊は喉の奥で低く笑う。

「……なぁ、もう熱下がったから、我慢しなくていいだろ?」

甘く囁く声と、腰のくびれを撫でる大きな手の感触に、頭がクラクラしてくる。

けれど、ここで絆されてはいけない。
いくら熱が下がったとはいえ、彼は限界を超えていた病み上がりなのだ。
今日一日くらいは、しっかり身体を休ませてあげなければ。

< 391 / 638 >

この作品をシェア

pagetop