アンコールはリビングで
2. 朝の食卓と、思いがけない提案

着替えてリビングへ向かうと、キッチンから出汁のいい香りが漂ってきた。

「湊、電話終わった? ちょうど温め直したところだよ」

ダイニングテーブルには、昨日の夜、俺が帰ってくる前に凪が作ってくれていた『しらすと溶き卵のみぞれ雑炊』が湯気を立てて並べられていた。

大根おろしがたっぷりと入った、胃腸に優しくて栄養満点な、凪特製の『腸活・回復メニュー』だ。

「おう、サンキュ。めちゃくちゃうまそう」

向かい合って座り、レンゲで雑炊を一口すする。
優しい出汁の旨味と、大根おろしのさっぱりとした風味が、病み上がりの空っぽの胃袋にじんわりと染み渡っていく。

「……はぁ、沁みるわ。マジでうまい」

「ふふ、よかった。で、島崎さんなんて? 今日お休みもらえた?」

自分の分の雑炊を冷ましならが、凪が少し心配そうに上目遣いで尋ねてくる。

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