アンコールはリビングで
3. 蕎麦の香りと、終わらない旅
益子の町を出る前、俺たちは地元で有名なこだわりの手打ち蕎麦屋に立ち寄った。
古民家を改装した趣のある店内で、ツルッと喉越しのいい冷たい蕎麦と、サクサクの野菜の天ぷらを堪能する。
「ん〜っ! お蕎麦、すっごく香りが良くて美味しい!」
「天ぷらもうまいな。これ、塩で食うのが正解だわ」
美味しいものを食べて、笑い合って。
2日間の旅行の締めくくりにふさわしい、穏やかで満たされた遅めのランチだった。
午後3時過ぎ。
俺たちは再び車に乗り込み、東京という『日常』へ向けて車を走らせ始めた。
高速道路に乗り、窓の外の景色が徐々に見慣れたビル群へと変わっていく。
西の空がオレンジ色に染まり始めるマジックアワーの中、車内には、行きとは違う、どこか少しだけ切ない静寂が流れていた。
「……なんか、あっという間だったね」
助手席の凪が、窓の外を眺めながらポツリと呟いた。
その声に滲む、旅が終わってしまうことへの寂しさ。俺も全く同じ気持ちだった。
「もう、終わっちゃうね……」
彼女が寂しそうに眉を下げるのを見て、俺は片手でハンドルを握りながら、もう片方の手を伸ばし、彼女の膝の上に置かれていた小さな手をギュッと強く握りしめた。
益子の町を出る前、俺たちは地元で有名なこだわりの手打ち蕎麦屋に立ち寄った。
古民家を改装した趣のある店内で、ツルッと喉越しのいい冷たい蕎麦と、サクサクの野菜の天ぷらを堪能する。
「ん〜っ! お蕎麦、すっごく香りが良くて美味しい!」
「天ぷらもうまいな。これ、塩で食うのが正解だわ」
美味しいものを食べて、笑い合って。
2日間の旅行の締めくくりにふさわしい、穏やかで満たされた遅めのランチだった。
午後3時過ぎ。
俺たちは再び車に乗り込み、東京という『日常』へ向けて車を走らせ始めた。
高速道路に乗り、窓の外の景色が徐々に見慣れたビル群へと変わっていく。
西の空がオレンジ色に染まり始めるマジックアワーの中、車内には、行きとは違う、どこか少しだけ切ない静寂が流れていた。
「……なんか、あっという間だったね」
助手席の凪が、窓の外を眺めながらポツリと呟いた。
その声に滲む、旅が終わってしまうことへの寂しさ。俺も全く同じ気持ちだった。
「もう、終わっちゃうね……」
彼女が寂しそうに眉を下げるのを見て、俺は片手でハンドルを握りながら、もう片方の手を伸ばし、彼女の膝の上に置かれていた小さな手をギュッと強く握りしめた。