アンコールはリビングで
『あの熱出した時の撮影、こんな感じだった。今日、写真データ上がってきたから、一番に凪に見せるわ』

(やっぱり……あの限界の状態で、こんな表情作ってたの……!?)

驚愕と共に、私は改めてその写真の彼の瞳を見つめ返した。

高熱で立っているのも辛かったはずなのに。
カメラの前では、それを微塵も感じさせないどころか、その熱すらも自分の表現の一部として完璧に昇華させてしまう。

(……本当に、湊のプロ根性には敵わないなぁ……)

圧倒的な才能と、命を削ってでも良いものを作ろうとする彼の執念。
その写真から伝わってくる強烈な熱量にあてられて、私の胸の奥にも、ふつふつと熱い火が灯るのを感じた。

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