アンコールはリビングで
「……凪。これ、どう思う?」

「ん? なにこれ……車のカタログ?」

「そ。俺たちの移動用の車、1台買おうと思って。……レンジローバーの、ヴェラールって車種なんだけど」

画面に映し出された、無駄のない洗練されたフォルムのSUVを見て、凪は目を丸くした。

「車……!? えっ、でも湊、事務所の送迎車があるし……それに、すごく高いでしょ!?」

「金ならあるから心配すんな。……この前の旅行の時、車の中、すげぇ快適だっただろ?」

「うん、それはそうだけど……」

「……外に出ても、誰の目も気にしなくていい、俺と凪だけの空間が欲しいんだよ」

俺が真っ直ぐに見つめてそう言うと、凪は何かを察したように、少しだけ心配そうに眉を下げた。

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