アンコールはリビングで
「ただ……早瀬様。こちらのモデルは完全受注生産のカスタマイズになりますので、通常ですと納車は半年以上先になるのですが……」
ディーラーの担当者が、少しだけ声を潜める。
「今回は志水様からの強いお口添えもございますので、私どもも最優先でラインを確保いたしました。最短の4ヶ月後……9月から10月頃の秋には、確実にお納めできるよう手配させていただきます」
「秋、か……」
(どちらにしても全国ツアー中は忙しすぎて車に乗る暇もねぇし、まあいいか……。でも、息抜きに凪とドライブの1回くらい行きたかったな……)
俺が少しだけ考え込んで黙っていると。
隣に座る凪が、俺の顔を見上げてふわりと微笑んだ。
「これからの楽しみができたね。……夏のツアーが終わって、秋になったら、この車でまた色んなところにドライブ行こうね」
俺の少しだけ沈んだ気持ちを察したように、未来の約束をしてくれる彼女の笑顔が、眩しいくらいに綺麗だった。
「……おう。絶対行こうな」
これから始まる、過酷なツアーと重圧の夏。
だが、その先には、誰にも脅かされることのない、俺たちだけの『安全な空間』が待っている。
凪の笑顔を守り抜くための新しい助手席を想像しながら、俺は担当者に向けて静かに頷いた。
ディーラーの担当者が、少しだけ声を潜める。
「今回は志水様からの強いお口添えもございますので、私どもも最優先でラインを確保いたしました。最短の4ヶ月後……9月から10月頃の秋には、確実にお納めできるよう手配させていただきます」
「秋、か……」
(どちらにしても全国ツアー中は忙しすぎて車に乗る暇もねぇし、まあいいか……。でも、息抜きに凪とドライブの1回くらい行きたかったな……)
俺が少しだけ考え込んで黙っていると。
隣に座る凪が、俺の顔を見上げてふわりと微笑んだ。
「これからの楽しみができたね。……夏のツアーが終わって、秋になったら、この車でまた色んなところにドライブ行こうね」
俺の少しだけ沈んだ気持ちを察したように、未来の約束をしてくれる彼女の笑顔が、眩しいくらいに綺麗だった。
「……おう。絶対行こうな」
これから始まる、過酷なツアーと重圧の夏。
だが、その先には、誰にも脅かされることのない、俺たちだけの『安全な空間』が待っている。
凪の笑顔を守り抜くための新しい助手席を想像しながら、俺は担当者に向けて静かに頷いた。