アンコールはリビングで
『――お前、また一人で抱え込んでるだろ。ちょっとは人に頼るってこと覚えろよ、馬鹿』

バーのカウンター越し。
グラスを拭きながら、主人公に向けて呆れたように、けれどどこまでも甘い視線を落とす『朔斗』がそこにいた。

「……っ!!」

私は思わず、クッションに顔を埋めて悶絶した。

すごい。すごすぎる。

元々エリートで頭の良い湊は、セリフを完璧に自分のものにしているだけでなく、間の取り方、目線の動かし方、そして何よりあの『圧倒的に美しい声』を武器にして、完璧に朔斗というキャラクターを体現していた。

回を重ねるごとに、湊の演技は凄みを増していった。

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