アンコールはリビングで
『今回のアルバム『Sanctuary』ですが、1曲目のインスト曲『Dawn』から始まり、最後の『再演 (Encore)』まで、本当に一つの映画を見ているような美しい構成ですよね』

MCが手元のアルバムジャケットを示しながら、感嘆の声を漏らす。

『早瀬さんにとって、このアルバムはどんなテーマで作られたんですか?』

『……そうですね。一言で言うなら、「魂の帰る場所」です』

画面の中の湊が、少しだけ視線を落とし、丁寧に言葉を紡ぐ。

『外の世界でどんなに戦って、傷ついても。鎧を脱ぎ捨てて、ただの自分に戻れる無垢な場所……』

ふいに湊が顔を上げ、カメラのレンズを真っ直ぐに見つめた。その瞳の奥に宿る、私だけが知っているひどく優しくて甘い熱に、心臓が大きく跳ねる。

『僕にとっての「聖域」であるだけでなく、聴いてくださる皆さんの心の中にある、誰にも侵されない不可侵の「聖域」を想って、聴いていただきたいです。最後の『再演 (Encore)』は、その場所で続く、何気ない日常の幸せをアンコールに見立てて作りました』

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