アンコールはリビングで
「……ごめん。……凪が可愛すぎるのが悪い……。ちょっとだけ、このまま……っ」

「……っ、湊、酔って……っ、だめ、明日、わたし仕事……っ」

凪が身をよじろうとするのを、俺は背後からさらに強く抱きしめ、その抗議の声を塞ぐように、再び首筋に深く顔を埋めた。

そして、彼女の身体を強引に仰向けに返し、その上に深く覆い被さる。

「……明日も仕事、行かせたくねぇ。……このまま、ずっとベッドに閉じ込めておきてぇ……っ」

アルコールで完全に箍が外れた口から、普段は言わないような、重くてドロドロの独占欲が零れ落ちる。

「……っ、んんっ!! ふぁっ、……っ」

驚いて見開かれた彼女の唇を、俺は息を吸う隙間も与えないほど深く、激しく塞いだ。

ウイスキーの芳醇な香りと、俺の熱が、凪の微かな抵抗を甘く溶かしていく。

押し付ける圧倒的な熱と、逃げ場のないほどの強い抱擁。
そして降り注ぐキスの雨が、二人だけの夜を果てしなく濃密なものに変えていく。

絡み合う吐息と、シーツの擦れる音。

俺は彼女を腕の中に固く閉じ込めたまま、ただひたすらに彼女の体温と匂いという揺らぎの中に、深く、深く沈み込んでいった。

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