アンコールはリビングで
(……湊のサイズなら、Lか、もしかしたらXLかな)

私は広げたリカバリーウェアのトップスを、自分自身の身体の前にそっと当ててみた。

155センチの小柄な私の身体に対して、その服の肩幅はあまりにも大きく、丈は太もものあたりまですっぽりと覆い隠してしまうほどだった。

(……そっか。湊って、こんなに大きいんだな)

普段、隣に並んで歩いている時や、彼に抱きしめられている時には当たり前のように感じているその体格差。

こうして彼のサイズの服を自分に当ててみることで、彼がしっかりとした大人の男性の骨格を持っていること、そして、彼にすっぽりと包み込まれる時のあの圧倒的な安心感が、リアルな温度を伴って蘇ってきた。

端から見れば、完全に『大好きな彼氏の服を選んでいる彼女』そのものだろう。
なんだか無性に気恥ずかしくなって、私は服をラックに戻しながら、少しだけ頬を熱くした。

「……あの、これのネイビーのメンズXLサイズと……同じデザインのレディースのMサイズを、一つずついただけますか?」

気がつけば、私はそんなふうにオーダーしていた。

彼の疲れを癒やすのはもちろんだけど、彼が帰ってきたリビングで、このお揃いのウェアを着て2人でくつろげたら……そんな想像をしてしまったら、自分の分も買わずにはいられなかったのだ。

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