アンコールはリビングで
「……これにします」

「素晴らしいお見立てです。こちらのプラチナは変色もしにくく、肌身離さず着けていただくのに最適ですよ」

店員さんはそう言って、ネックレスを一度トレイから取り出し、ライトの下でその輝きを確かめさせてくれた。

「……本当、綺麗ですね」

「ええ。デザインもシンプルですので、どんなお洋服にも合いますし……」

店員さんは一度言葉を区切り、丁寧な手つきでケースへとネックレスを収めながら、私を優しく見つめた。

「何より、こうして一生懸命に選んでくださるお客様のお姿を拝見して……パートナーの方を、本当に大切に想われていらっしゃるのだなと、私まで温かい気持ちになりました」

「えっ……そ、そんな……」

思わず頬を染めた私を見て、店員さんはさらに目を細めて微笑んだ。

「パートナーの方、とても幸せ者ですね」

上品に微笑む店員さんの言葉に、私は照れ隠しのように目を伏せながらも、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じていた。

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