アンコールはリビングで
椅子の隣に置いた、二つのショッパーに視線を落とす。

高級リカバリーウェアのペアセットに、プラチナのネックレス。
社会人として働いているとはいえ、私からすれば、決して安くはない、かなりの大出費だ。

(でも……うん。絶対に、買ってよかった)

私はハーブティーのグラスに結露した水滴を指先でなぞりながら、ふふっと一人で頬を緩めた。

あのリカバリーウェアを着て、無防備な顔でリビングのソファに寝転がる彼。

そして。

その胸元で、少し開いた襟ぐりや、黒いTシャツの上から、あのプラチナのベネチアンチェーンが妖しく光を反射する様子。

……想像しただけで、胸の奥が熱く、疼くような感覚に襲われる。

彼の肌の温度で温められたプラチナが、彼の鎖骨のくぼみに沿って静かに光るのだ。

あのただでさえ致死量を超えている彼の大人の色気が、私の贈ったネックレスによってさらに限界突破してしまうに決まっている。

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